2024.1.29 / 健康
こんにちは!佐藤です!
本日は、脊髄小脳変性症について解説していきます!
この疾患は、沢尻エリカさん主演の「1リットルの涙」で話題となりました。
ドラマを見た方ならわかるかもしれませんが、今回もしっかりと解説していきます。
運動の指令を司どる小脳という部分の神経細胞が徐々に減少することによって様々な症状が出現する疾患です。
原因が、腫瘍(癌)、血管障害(脳 梗塞 、脳出血)、 炎症 (小脳炎、多発性硬化症)、栄養障害ではない病気について、昔は、原因が不明な病気の一群として、 変性症と総称しました。
病気によっては病気の場所が脊髄にも広がることがあるので、脊髄小脳変性症といいます。
運動失調症が、その症状の中心になる場合があります。そこで多系統萎縮症の一部も脊髄小脳変性症とされます。
この多系統萎縮症を含めて、脊髄小脳変性症の患者さんは、全国で3万人を超えています。
その中で、遺伝歴のない脊髄小脳変性症(多系統萎縮症とかオリーブ橋小脳萎縮症といわれます)が最も多く、約2/3を占めます。1/3は遺伝性の脊髄小脳変性症です。
脊髄小脳変性症について研究がすすめられていますが、いまだ有効とされる根治的治療方法は確立されていません。
しかし、まったく治療法がないというわけではなく、それぞれの症状や進行具合に合わせた「対症療法」と呼ばれる治療法が行われています。
「セレジスト」
脊髄小脳変性症の運動障害に対して有効とされているのが「セレジスト」という薬です。
セレジストは内服を継続することによって、運動機能の改善が見込めるほか、症状の悪化する患者の割合が減少することがわかっています。
「抗パーキンソン病薬」
パーキンソニズムが出現した場合、抗パーキンソン病薬を使うことで、初期の段階では一定の効果があるといわれています。
その他、排尿障害や起立性低血圧などの自律神経障害や、小脳失調によるめまいや吐き気といった症状に対しても、それぞれ個々の症状に有効な薬を飲むことで、一時的ではありますが症状を押さえることができます。
小脳が障害されることで起こるバランス感覚の欠如や歩行時のふらつきなど、患者さん一人ひとりの小脳失調の症状に沿ったリハビリを行うことで、その効果は終了後もしばらくは持続するといわれています。
特に症状が「小脳失調」のみの場合、集中的なリハビリを行うことは症状の進行を妨げる一定の効果があるというデータもあります。
症状が進行した場合にも、残っている運動機能を活用し、維持するためにリハビリテーションは有効なため、脊髄小脳変性症の方に対して、リハビリテーションは積極的に行われています。