2023.5.4 / 健康
今回は、弊社自費リハビリご利用者の中で、多い訴えである、『痺れ(しびれ)』について書かせていただきます。
皆様は痺れというと何を想像しますか?
長時間正座をした後に起こる足の痺れや、腕枕をした後に手が痺れたりなど皆様も一度は経験したことがあると思います。
痺れには、大きく分けて[中枢神経性の痺れ]と[末梢神経性の痺れ]があるのですが、
今回は、中枢神経性の痺れ、特に脳卒中後の痺れにフォーカスを当てます。
まず、脳卒中とは、人間の身体の働きを中枢で統括している「脳」の血管が、詰まったり破れたりすることで、急に脳の一部の働きが悪くなり、それによって急に身体の働きが悪くなったり、感覚障害を引き起こす病気です。
そして、2021年の厚生労働省の人口動態統計によれば、脳卒中(脳血管疾患)は日本人の死因の第4位です(1位:がん、2位:心疾患、3位:老衰)
しびれ(感覚麻痺)は左右どちらかに現れやすい特徴があります。触られたときの感覚が鈍くなったり、冷たい、温かいといった感覚がわかりにくくなります。また、ジンジン、チクチクといった手足のしびれも後遺症として感覚麻痺に相当します。しびれを生じ、触っている感覚が分からない、または鈍くしか感じられないというものが多く聞かれる悩みですが、逆に痛みを強く感じることもあります(痛覚過敏)
脳卒中の機能回復では、発症から1ヶ月程度は著しく改善し、3ヶ月、半年と経過するにつれて回復の度合いが緩やかになること言われています1)。また、出血の量によって予後も異なると言われており、出血の大きさとして4.1cm以上の場合、予後は不良で、意識障害や死亡に至るケースもあります2)。
脳出血後のしびれ(麻痺)に対しては、リハビリテーションや、薬物療法、外科的治療法(手術)があります3)。
・促通反復療法
各関節を反復して運動を行い、脳卒中により失われた神経回路を再建または強化する方法で、手足の麻痺の程度が改善したという報告もされています。近年では、これから述べる機能的電気刺激や経頭蓋直流電気刺激、経頭蓋磁気刺激といった治療と併用して治療効果を高めるための研究がされています。
・CI療法(Constraint-induced movement therapy)
ある程度麻痺のある手が動ける方に対して、強制的に麻痺がない手を使えないようにし、生活のなかで麻痺のある手をたくさん使うようにすることで、麻痺の手を回復させることを目的とした訓練のことです。
・その他
鏡を使ったミラーセラピーや、直接触って行う治療のボバース療法やPNFといった治療方法もあります。
今回は、脳卒中の後遺症の「痺れ」にフォーカスを当てて、紹介させていただきました。痺れは、日常生活に悪影響を与えてしまう症状です。しびれ(麻痺)に対する理解で、少しでも参考になれば幸いです。また、上記のような症状があれば、お気軽にご相談ください。
出典